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Sun.11.01.2009 Comment. 0 Trackback. 0 iGoogleに追加 MyYahooに追加 はてなブックマークに追加 文字サイズ変換

田園

きのこ狩り

家に籠ってばかりいると気が滅入ってくるし、足腰がなまるのを感じる。


雨ばかりだった先週とうってかわって今週は秋晴れの良い天気なので、カミサンとキノコ狩りに出かけた。27日の火曜日だった。

森


キノコ狩りの場所はフォンテンヌブローの森。ここからだとちょうど100kmの距離で、3年前まで20年間も住んだのだから、自分の家の庭のように隅々まで知っている、と家内も僕も自慢げに信じているが、実際はまだまだ森は広大で、今まで何百回と歩き回ったが、まだ入りこんだことのない一角が沢山ある。


雨降りがあって2・3日後に晴天が続くとキノコ狩りには良いと経験から判断して、今日がその時期と胸の底に子供のワクワクを少し抱きながら出かけた。キノコ狩りが好きな人は、それぞれ秘密の場所を持っている。いつかそこで大量のキノコを狩った経験があり、不作の年でもそこへ行けば必ず何がしかの収穫が得られる場所をみんな持っている。



僕ら夫婦も、いちどそこで独りでは重くて運べないほどの大収穫を経験した。重い袋に棒を通し、2人で籠を担ぐように坂道を降りていたら100mほど先にイノシシの親子連れがこちらを胡散臭そうに睨んでいるのだった。


そこには松の木が沢山生え、フランスでは日本の松茸と同じくらい貴重で高級品のセップというキノコがたくさん採れた。s-pin.jpg



だが、その翌年、突風が2回も襲い、大量の松の木が倒れた。しかし、それでもその翌年と2年後までは、松の根元にセップが生えた。

木が大量に倒れ、日当たりが強くなりすぎたせいか、その後しばらくは、キノコをそこで見ることはなかった。


突風の年から5年経ち、そろそろフォンテンヌブローの森ともお別れという時期に、戻ってみたら、すこしだけキノコが生えていた。


そして、ヨンヌ県のここへ引っ越し、懐かしさが戻った去年、行ってみたが、時期が悪かったのか、まったく見つからなかった。

今年はいいだろう。そう家内にも言い言いしながら、懐かしい一角へ分け入った。頭くらいも背の高いシダが枯れたまま立っており、密林を進むように、かき分けながらでないと前へ進めない。しばらく行くとやっとシダの丈が低くまばらになり、木々の根元に苔が密生している空き地へ出た。地面は枯葉で覆われている。

ここなら見つかりそうだと直感が走り、視線を地面へ向けたとたん。「あった」おもわず声を挙げてしまう。
s-cep2ctnyoki.jpg

手の平ほど大きなセップが虫食いもなくほぼ完全な形で枯葉の間からすっくと立っているではないか。

s-jitsu.jpg
直径が15センチほどもある堂々としたセップだ。

セップは香りが良いので、生えるとすぐ野兎に齧られたり、雨もよいの日にはナメクジが穴をあけたりで、こんなに丸く完全な姿を見るのは珍しい。s-cep1copy.jpg



今晩はキノコを添えるからビフテキねと、カミサンは採れる前から、夕飯のメニューをキノコ中心に決めていたので、これでやっと久々のラムステーキも添え物ができて味が引き立って旨いぞと思うと食欲が沸いてきた。

だが、この日は主な収穫はこれ一本きりで、もひとつだけ、虫に食われたいびつなのが一本見つかったきりだった。

しかし最初の一本は、ステーキに添えるにはこれだけで十分なほどの大きなセップだった。

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あがた めのお 作  長編小説 「イカルスの墜落」を連載中です。

フランスのセーヌ河 河口の港町ル・アーヴルで起こる6人の若者と

核燃料密輸の闘いを描いた社会派冒険恋愛小説です。

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プロフィール

あがためのお

Author:あがためのお
フランスの田舎住まいをしてます あがた めのお です。

もう70に手が届くかという年齢です。

今までの経験を材料に幾つか小説を書きましたが、時代が変わってし
まって、小説とか文学に対する意見、評価、役割も変わってしまったようです。

そんな現代の環境の中で文章を主体にイラストも描きながら、人生を材料に表現する小説とは何かを探って行きたいと思ってます。

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